放送大学の「統計的因果推論の考え方と技術」を見た
BS で、放送大学の「統計的因果推論の考え方と技術」の2回目以降を見たら、本当に何もわからない状態から、ある程度、用語や考え方がわかるようになった気がします。
1月31日(日)の 12:45 から 18:45 にかけて一挙放送があるので、ちょっとでも興味がある方はぜひ録画しておきましょう!
なお、講師は書籍「統計的因果推論」の著者の岩崎先生です。
視聴の経緯
ここ1年ぐらい、因果推論が気になるけど勉強してなかったところ、Twitter でたまたま奥村先生のこのツイートを見かけたので、見てみることにしました。
放送大学:「統計的因果推論の考え方と技術」放送のご案内 https://t.co/NVE5LmkGUB 今日から22:30-
— Haruhiko Okumura (@h_okumura) 2021年1月5日
このツイートを見たのはとても運が良かったです。気づくのが若干遅れて、2日目からの視聴でした。
なお、自分自身の因果推論パワーはというと、さっき書いた書籍「統計的因果推論」は持ってないけど、効果検証入門は Kindle で買って、最初の少しだけ読んだ状態でした。この放送で出てきますが、「独立の記号は ⊥」と聞いて「そういえばそうだった、きがする」程度です。ベイズは少しかじってたので、条件付き独立の書き方は知ってました。
全体的な感想
数式、図、実例、口頭での説明のバランスが良かったのか、個人的にはスルスルと頭に入ってきました。とだけ書くと簡単そうですが、簡単ってわけではないです。予備知識がないせいか、個人的には、メモを諦めて視聴に集中すればなんとかついていけるペースでした。まずは視聴に集中して、気になるところは録画で一時停止しながらメモを取っていました。
内容については、細かく書くとキリがないので、考え方として理解できてよかったなと思う3つを書いておきます。
- A さんが広告を見たら買う/買わない 。A さんが広告を見なくても買う/買わない を、潜在的アウトカムアプローチ という考え方を使って表現する。これを活用して本来測れない数字を推定したりする。
- 「広告を見た A さん、B さんが買う確率は50%」という考え方ではなく「A さんは広告を見たら買う」「B さんは広告を見ても買わない」というのは決まっていて、確率的なのはサンプルとして A さんが選ばれるか B さんが選ばれるかだという考え方をする。
- 実験するなら、年齢、性別、居住地などが偏らないように(共変量が同じ個体を処置、対照で均等にする)。共変量がたくさんあって、完全一致する人なんていないよ、というときは、傾向スコアという手段を使うこともできる。
- これについては、以前「2020年こそ理解したい「因果推論」の勉強はじめました|松本健太郎」を読んだときに「A/B テストでは、 A と B が同質な集団じゃないといけない」といったことが書いてあったので、しっくりきました。当然といえば当然の話しですが、そんな割り振りを実際にできるのか?ってところが問題です。
こんな考え方をベースにしながら、いろいろな手法を紹介していく内容でした。最終日は「薬を飲みなさいね、といった人が飲まなかったとき、それが効果の推定にどう影響するか」なんてことまで気にした話が出てきます。
本を読むよりテレビで見たほうが頭に入ってくるかも、という方はぜひ一挙放送を見てみてください。