rch850 の上澄み

技術的な話題とか、雑談とか。タイトルを上澄みに変えました @ 2020/09/02

蕎麦の花が臭いと思ったら

去年、こんなことありました。

住民から苦情殺到!吐きそうなほど臭いソバの花!

転作田を彩る秋の風物詩、ソバの花。純白でかれんな花々は今月末にも、香り高い福井県産ソバの実を付ける。でもその花のにおいは例えるなら―糞(ふん)肥料。県内の作付けは近年急速に拡大し、全国3位の面積となっており、そのにおいに戸惑う住民も出ている。専門家によると、ソバは食用作物のなかでも特に受粉が難しい仕組みで、においは「虫を呼ぼうと必死に頑張っている」結果なのだとか。

これまで聞いたことのない話でした。さて、これは2012年特有の現象なんでしょうか?物事は客観的に評価したいですよね?

というわけで、「そば 作付面積」で検索してみましょう。

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農林水産省/特定作物統計調査という、もっともらしいデータがあることが分かります。そこで調べてみると、「豆類(乾燥子実)及びそばの収穫量(全国農業地域別・都道府県別) - そば」という Excel のファイルが見つかります。あぁ、大変もっともらしい!

この表によれば、

  • 前年比の作付面積は、全国で 108%、福井県で 103%
  • 前年比の収穫量は、全国で 139%、福井県で 111%

とのことです。ものすごい増えたわけではないようですね。面積については確かに北海道 (21,700ha)、山形 (4,960ha) についで3位の福井 (4,050ha)。でも収穫量は北海道 (19,700t)、長野(3,370t)、茨城(2,750t)、山形 (2,380t)、福島 (2,260t)、栃木 (2,220t)についで7位 (2,150t) なんですね。この次はだいぶ飛んで 1,410t の秋田です。

更に調べてみたところ、福井県のそばの作付面積、収穫量は、年々増えていることが分かります。ちなみに全国的な傾向です。

  • 2012年 (H24): 4,050ha / 2,150t
  • 2011年 (H23): 3,950ha / 1,940t
  • 2010年 (H22): 3,260ha / 1,730t
  • 2009年 (H21): 2,730ha / 1,060t
  • 2008年 (H20): 2,710ha / 1,420t

そんなわけで、去年になってものすごい増えた!というわけではないことが分かりました。

近所の去年そば畑だったところは、今は田んぼになってます。今年は去年ほどひどくはならないかもしれません。