ウェブと色弱
富士通、色覚障がい者のための診断ソフトウェア無償提供8月20日をもって終了:「終了前に、ただ伝えてほしい」――多くの開発者に届きますようにの記事が人気ですね。便乗して久々に色覚障がいネタを。
まず前提として言っておきたいのは、色覚障がいは個人差があるので、これはあくまで自分のケースだってこと。「色覚障がい者は赤と灰色の区別がつかないらしい!」なんて勘違いをしないでほしい。ほんと人によって違う。
このソフトが対象としてるのは、パソコン上の画面での話だと思うんだけど、正直そんなにパソコン使ってて困ることはない。パソコン上で色が課題になることは少ない。自分が遭遇するケースだと、仕事でウェブサイト作ったりするときに、この黄色いところを……と言ってみるんだけど、そこが実は黄色じゃなかったりして、コミュニケーションに支障が出ることがしばしば。
あと、拙作の Apple System Status Notifier では、異常を赤色で示してるんだけど、実はこれ自分でもよくわかってない。
これって赤いの?どうなの?そんなことがパッと見で分からない。顔を近づけて、しばらく見つめて考えこんで、あぁ赤か。って分かる。
ちなみに正常時の表示はこれ。
灰色。これと見比べればわかるんだよなー。自分の場合、このように見比べれば分かるケースがほとんど。でも赤いのを単体で見ると、とたんに分からなくなる。
ちなみに、多分塗ってる面積が小さいのも影響してる。この画像を貼り付ける時に、最初原寸になってくれなかったんだけど、その時はすぐに赤いって分かった。これが小さくなると、すごく分かりにくい。
これが困る一例。支障があるか?というと、それほどでもない。少なくとも、コンビニのトイレの鍵がかかっているのかどうか分からないよりは困らない(鍵をかけると青から赤になるタイプ、色の区別がつかなくて、鍵がかかってるのに開けようとしてしまったことが何度かある)。
かといってこのソフトウェアに意味がないわけではない。
デザイナーが意図した色が、スマホの実機で異なって見えると、再度色を調整する。こういう場面を何度も見てきた。こういう調整をする理由は、色が異なって見えることで、意図したインタラクションを起こせないかもしれないからだろう。今回のようなソフトウェアをこの調整のプロセスに組み入れることで、より多くの人にデザイナーの意図が伝わるだろう。