rch850 の上澄み

技術的な話題とか、雑談とか。タイトルを上澄みに変えました @ 2020/09/02

Japan CV Day にこっそり参加してきた

ただでさえ海の日で3連休なのに、さらに休みをとって Japan Computer Vision Day に参加してきました。MIRU っていうガチカンファレンスのサブイベントな感じだったんですが、ものすごく面白かったです。あと、勉強会として得る部分が多かったです。

勉強会自体の話は、togetter を見ると分かるので詳しくは書きません。

個人的には、CG(Computer Graphics)、VR(Virtual Reality)、インタラクション系のカンファレンスはちょこちょこ顔出したことがあるんですが、CV(Computer Vision)はというと初めての参加でした。そんな自分にとって、@payashim さん、もとい、サンデルタ教授のサーベイ的なお話がとても役に立ちました。必死でメモを取るべきだったと後悔中。

自分の中では、CV といえば CV であって CV でしかなかったんですが(謎)、今回話を聞いていると、PRML(Pattern Recognition and Machine Learning)という言葉が一緒に出てくることがほとんどで、新しい発見でした。そこら中に映像入力が溢れている時代、CV 屋さんが売れっ子になる気配がすごくしますね。それに比べると CG はどうしたものか……。CG と CV をうまいこと組み合わせたところに、CG のひとつの活路があるのだろうなぁと思います。

さて、勉強会として得た部分について。

グループディスカッションが氷を打ち壊す

今回の勉強会で一番衝撃だったのがこれ。8人程度でグループを作って、与えられたテーマについてグループディスカッションしたのが非常によかったです。アンチボッチ効果が非常に高い。なにせ強制的に組み入れられるわけで。自分が入ったチーム K は、たまたま全員が社会人で、他のチームは学生がいるけどうちは社会人オンリーは珍しいねーという話をしつつ、名刺交換が始まりました。すでに懇親会ムード。


photo by @miyabiarts

会場はどう見てもディスカッション向きじゃないんですが、それでもやればできる。ディスカッションの内容は、チーム別に与えられた分野について、CV の未来を考えるというものです。あるチームは教育、あるチームは流通といったように、それぞれ分野を指定されています。1時間ぐらいのディスカッションの後、どのチームも与えられたテーマで発表することができました。中には寸劇でコンセプトを説明するチームも。

「寸劇をやるといいですよ」みたいな煽りはなかったんですけどね、なぜか1チームだけでなく数チームが寸劇を織りまぜてましたね。すごい。

なぜこうなったのか妄想

振り返ってみると、この勉強会の全体の流れがよかったんじゃないかなぁと。全体の流れはこうでした。

  • Lightning Talks

最初の方は各地方の勉強会の紹介。それから個人の LT に移ったわけですが、ここでのいくつかのネタ発表が会場を暖めたと思います。ひとつは Gesture UNderstanding Deformable Aling Model 略して GUNDAM という手法についての検討。もうひとつは、あずにゃんぺろぺろするために、けいおんの OP を素材に Structure from Motion して2次元の世界から3次元にあずにゃんを引っ張り出そうというネタ。あずにゃんぺろぺろについては高専カンファレンス方面で一波乱ありましたが、こっちは半分学会みたいなイベント。よっぽど敷居が高い中でよく発表したなぁと思います。面白かったし。もちろんネタ発表以外もためになる話がたくさんあったので togetter 見ましょう。

  • デモ発表

@sonson_twit さん自作の AR フレームワーク Core AR の紹介と、@takmin さんによる Tesseract OCR の紹介。Core AR の方は、QB を QR コードの上に出してネタ感を出しつつも、実際に AR フレームワークを作るにあたってぶつかった壁などの話をしていました。

  • パネルディスカッション

時間の都合かディスカッションはありませんでしたが、こちらで紹介されているお三方によるお話で、それぞれCV界に対する問題提起をしていただきました。上でも書きましたが、サーベイ的な話もあって、考えを広げるのに役立ちました。一人あたりの発表時間は20分程度でした。

  • グループディスカッション

そしてグループディスカッションです。場も暖まり、話のネタもできたところで、グループディスカッションです。ここまでの流れがあったからこそ、うまいことグループディスカッションに入れたのでなないかなと思います。

何が言いたかったかまとめると、流れが素晴らしいこと、グループディスカッションが素晴らしいことの2点です。ネタによるアイスブレイクから入り、基調講演とも言えるパネルディスカッションのあと、グループディスカッションに入るという流れがとてもスムーズでした。基調講演が最初で、LT は後っていう既成概念が自分の中にあったのですが、見事に打ち砕かれました。


久々にアカデミックな空気を嗅げたし、知り合いも増えたし、今後のイベント運営の勉強にもなったし、とても有意義な有給休暇でした。